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2013
02.13

うた恋い。3 和歌物語一

今日の一冊:超訳百人一首 うた恋い。3

和歌物語一

清少納言の兄とその恋人の末の松山との恋の話です。
うた恋いでは、この体験が清少納言の、人生観を形作る大きな事件の一つ、
というように描かれています。

二心がないことを表した昔の歌にちなんで、
恋人を末の松山と呼んでいた兄が、父の転勤のために、
恋人とお互いを思いあいながらも離れ離れになってしまいます。
二人の恋の行く末は・・・

ネタバレ感想はいつものように続きを読む、からどうぞ。

本の紹介と、ほかの話へのリンクのページはこちら↓
うた恋い。3 全体感想


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ちぎりきな かたみにそでを しぼりつつ 末の松山 波こさじとは
                            <清原元輔>

「君をおきて あだし心を わが持たば 末の松山 波もこえなむ」

 波が末の松山を越えることがないように
 私が浮気をするなんて絶対にありえないこと

その古い和歌にちなんで、清少納言の兄、清原致信(きよはらむねのぶ)は、
初恋の人を「末の松山(末のまつやま)」と呼んでいた。

その兄が、京の屋敷で昼間から格子を下してふさぎ込んでいる。
どうしたのかと諾子(なぎこ:清少納言の名前)が問うと、
末の松山が、最近別の男と結婚した、というのだ。

遡ること2年前、諾子は父の京への転勤に伴って引越しの準備に追われていた。
姿の見えない兄を探していると、兄は恋人の末の松山と一緒にいた。
末の松山は致信に自分も連れて行ってほしいと頼むが、
無責任なことはしたくない、元服したら迎えに行くという致信は、
末の松山の名に誓って浮気などしないと誓い、待っていてくれと頼む。

二人の様子に業をにやして、父の元輔のところに行った諾子は、
あの二人がうまくいくかと元輔に聞く。
将来のことで絶対などということはないのに、という諾子に、
身分の低い自分の息子に末の松山の親が娘をやろうとはしないだろうと言いながら、
二人の思いが本物であれば、先が開けることもあるだろうと答える。
わからない先のことを決める約束は信じないし、
自分の首を絞めるような約束自体しない。という諾子に、
元輔は、残念なことを言う、と答える。

「おまえの言うとおり人の約束などあてにならんからな。
 その時絶対と思っていても人の心はうつろうものだ。
 心変わりに傷つきたくないなら最初から信じぬのが賢い生き方と言えよう。
 しかし傷つかぬかわりにそこには喜びもない。
 約束なり何なりこれは絶対守るという戒めが自分の中にあってこそ
 人はまっすぐ一生懸命に生きられもする。
 そして喜びを知るんだ。
 覚えておきなさい諾子。
 信じるものがない人生は死に等しい。」

二人の恋はきっと本物だから、応援してやろう、と。

京に家族が引っ越すその日、末の松山は泣きながら言った。
いつまでも待っているから、迎えに来てと。

2年後、末の松山から届いた、結婚したという手紙に、
元輔は返事の歌を書くがいい、というが、致信は筆を手に取ろうとしない。
代わりに詠もうといった父の詠んだ歌は


「ちぎりきな かたみにそでを しぼりつつ 末の松山 波こさじとは」 

 あの日、二人で泣きながら誓いましたね。絶対に心変わりしないと。
 なのにどうして・・・

彼女の裏切りがつらいと思いつつも、おいてきた自分も悪かったと、自分を責める致信に、
元輔は、そう思うならせめて、自分の気持ちが本気だった証に、
責めるくらいのことはしてあげなさいという。

そんな二人を見ていた清少納言は、人生の中に絶対と信じられるものを見つけてほしいと願う、
父の思いを感じつつも、それがどんなにか難しいことかと思っていた。


ここから感想です。

今よりもずっと、距離というものが本当に人を離れ離れにしてしまった時代。
今でいうと同じ国と言っても、小笠原とか、距離的にいうと海外くらいの感じなのでしょうね。
まだ元服もしていない頃、ということは、14・15歳くらいだっただろうと思われるお兄さん。
それは駆け落ちすることはできなかったことでしょう。
そしてその距離は末の松山にとって絶望的で、二人を引き離してしまったのでしょうね。

うまくいくなんて信じられない清少納言の方がもちろん普通の感覚でしょう。
特にこの時代、女の人は結婚しても浮気されるのが普通、という時代ですし。

それを信じろ、というなんて、なんてロマンチックなお父さん。
お母さんと、大恋愛だったのでしょうか。
こんなロマンチックな父さんがいたからこそ、清少納言が枕草子に書いているように、
あんなに感性豊かな人になったのかな、と思ってしまいます。
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