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2013
01.10

うた恋い。2 和歌物語四

Category: 空想もの
今日の一冊:超訳百人一首 うた恋い。2(本棚から)

和歌物語 四

勢いづいています、うた恋い。2の続きです。
この巻の主人公と言える、小野小町のかの有名な歌にからむお話です。
(そういえば偶然、明日のアニメ「ちはやぶる」のタイトルもこの歌でしたね)

出てくるのは、「和歌物語 一」に出てきた六歌仙3人組です。
あれから20年後の3人は。。。

ネタバレ感想はいつものように続きを読む、からどうぞ。

本の紹介と、ほかの話へのリンクのページはこちら↓
 うた恋い。2 全体感想


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花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせし間に
                            <小野小町>

小野小町(おののこまち)は仁明天皇の更衣として入内し、
その寵妃として夢のとおりに自分の美貌と和歌で後宮で競い合ったのもつかの間のこと。
御子を授からなかった小町は、仁明天皇亡きあと後宮を離れ、ひっそりと暮らしていた。

ある年、文屋康秀(ふんやのやすひで)からの年始の挨拶の文が届いた。
3人で月を見てから20年の間、二人は折に触れ文を交し合っていた。
三河への赴任が決まったので、一緒に田舎見物に行かないかとの誘いの文に、
小町は歌で返す。

「わびぬれば 身をうき草の 根を絶えて さそう水あらば 去なむとぞ思う」

 落ちぶれて行くあてもない私だから、お誘いがあれば誰にでもついていきますよ。

そんな思われぶりなことをと心配する付き人に、
古い友人だから冗談だとわかってくれると答ながら、
どこまで自分が冗談なのか本気なのかわからなくなってくる小町。

心細い夜を一人で過ごしていると、兄と慕う宗貞(むねさだ)が、
求婚してくれたときのことが思い出される。
あの時、求婚を断らなければこんなことにはならなかったのではないか。
ただいたずらに人生を過ごしただけで、何も残せていないのではないか。

そんな想いに思わず涙しているところへ、夜も更けているというのに、
在原業平(ありわらのなりひら)と文屋康秀が小町の屋敷を訪れた。
小町の思わせぶりな歌を見て、二人は心配してきてくれたのだ。

懐かしい3人で、20年前と同じく月を題材に歌を詠もうとすると、
自分の老いや、人間の移ろいばかりが思い起こされる。

色男として名を成した業平も、よく見れば髪が短く、僧衣を着ている。
手を出してはならない相手(藤原高子)に手を出したために、その家族に髪を切られたという。
この人こそと思える相手を探し続けてやっと出会えたのに、
であった相手には大きな障害があり、自分がもうその障害を乗り越えられる年ではない。
迷い迷ってたどり着いた先、自分が人の盛りを過ぎていたことが無念だと。。。


「花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせし間に」

 さいた花も咲いたままではいられない
 ぐるぐる思い悩んでいたら
 私もあっという間におばさんになっちゃった

と詠った小町が、これ以上いると愚痴になるとその場を去ろうとすると、

業「先ほどの和歌、人並みに結婚をして子供に囲まれていたら詠めましたか?」
小「え・・・?」
業「詠めなかったと思いますよ。
  あれこれ悩んできて、寄る辺なく過ごすあなただから詠めた和歌です。
  それでいて聞く人を選ぶということもない。
  人は大なり小なりみな後悔を抱えてますから・・・
  その心に触れる。
  あなたの和歌はそういう・・・いい和歌です。」
  ・・・和歌が、私たちの居場所・・・
  昔あなたはそう言ったね。」
小「ええ・・・」
業「康秀も同じようなことを言っていた。
  私もね、近頃そのことについてよく考えます。
  無茶ばかりしていろいろ棒に振ってきました。
  振り返れば悔いばかりの人生なんですが・・・
  そんな中にも確かに残してきたものがあるから、わりと平気だ。
  君たちもそうだろう?
  私たちは、自分の和歌を残してきた。」
康「なにも出世だの子を残すことだけが自分を残す手段ではないんですよね。」
業「そうとも。
  私たちは歌人だから、自分が生きた証を和歌にして、人の心に残していける。
  だからつらくても胸をはりましょう。
  そしてこれからも、たくさん悩んで、自分の和歌を残していこうじゃないか。」
小「ええ。」

自分という花は、種を残すことはできなかった。
それでもその姿は、和歌となって、色あせず残っていくのだろうか。
私が生きた意味はそこにあったと思っていいだろうか。

この先また幾度も振り返り、自分が人生をやり直せるなら違う選択をするかを問うだろう。
その答は、悩み悩んで、強く生き抜いた先、今わの際に決めることにしましょう。 


ここから感想です。

小町という人よりも、業平の良さが際立つ回のような気もします。
本当に小町がこう思ったかどうかは別としても、
和歌が今の時代にまで語り継がれるとまでは、さすがに3人も思わなかったでしょうが、
まさに世紀を超えて、小町の歌が色あせず残ったことは、
やっぱり救いのような気がします。
そんな作品を生み出したいともがいて苦しむ人もまた多いのでしょうが。。。
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