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2013
01.09

うた恋い。2 和歌物語三

Category: 古典もの
今日の一冊:超訳百人一首 うた恋い。2(本棚から)

和歌物語 三

前回に引き続き、うた恋い。2巻のお話です。
登場するのは再三出てくる在原業平(ありわらのなりひら)と、
その兄、在原行平(ゆきひら)とその奥さんの弘子(ひろこ)。

こんな夫婦になれたらいいなと思う暖かさと、
お兄さんの苦労、また業平の切なさが残る素敵な話。

ネタバレ感想はいつものように続きを読む、からどうぞ。

本の紹介と、ほかの話へのリンクのページはこちら↓
 うた恋い。2 全体感想


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立ち別れ いなばの山の みねにおうる まつとし聞かば 今帰り来む
                            <在原行平>

在原行平が因幡守に命じられて、昇進で賑わう多くの人が行平邸を訪れる中、
行平は業平のところに見舞いに行く。
見舞いとは建前で、業平の妻の父、紀有常(きのありつね)から、
娘との夫婦仲がよくない業平のことを愚痴られ、弟を注意するつもりでいた。

庭の魚を眺めている業平に、早速もっと妻を大切にするよう言うと、
「自分が幸せだからと言って、その生き方を自分に押し付けるな
 幸せの形は人それぞれだ」という。

同じ父の元に生まれながら異なる考え方を持つことになったのは、
二人の父・安保親王(あぼしんのう)が亡くなったのがきっかけだった。
安保親王は平城天皇の御子として生まれ、慎ましく余生を送っていたにも関わらず、
政変に巻き込まれ、図らずも密告者の役割を果たしてしまいったことを嘆き、
病の床について、返らぬ人となってしまったのだ。
日に日に弱る父の姿を見て、父と同じに誠実に生きようと誓った行平と違い、
業平はどんなに誠実に生きてもこれが報われるとは限らないなら、
自由に生きると思ったのではないか。

行平が今日を離れる日、弘子が行平の準備を手伝っていると、
業平が弘子を見舞うと言っていたので、もしきたら適当にもてなして返すように、という。
色男として名を成す業平が一人残していく妻を訪れることが気になっている様子の行平に、
弘子は、何を心配しているのかとまったく取り合わない。
困ったことがあればすぐに帰るといっても、
仕事を第一に気にするなというばかり。

「弘子。私は自分にとって大事なものが何か良く分かっているつもりだよ。
 仕事はもちろん大事だが、君が困っているならその時は
 どちらを優先すべきかなんて決まっている。
 因幡から京なんてすぐだ。あなどってくれるなよ。」
「・・・
 では申し上げます。
 今わたくし、とても困っておりますの。
 あなたに会えないこれけあらを思うと、どうにかなってしまいそう・・・
 因幡になど行かないでずっとここにいてください。
 わがくしが一番大事とおっしゃるなら、それがおできになりまして?」

意地になっている行平をなだめるつもりの冗談を言う弘子を見て、
弘子を抱き寄せた行平は

「お勤めから開放されて楽になった。
 これから二人でどう生きるか、話し合うとしましょうか。
 それとも・・・二度寝する?」
「イジワルはおやめになって。
 わたくしがあんなこと本気で言うわけがないと分かっていてこんなお戯れ、悪趣味ですわ」

といって離れてしまった。
自分は本気だったと笑って言う行平に早く仕度をするようにと言った後、

「どうか心配はなさらないで。
 お留守は立派に守ってみせます。
 あなたは安心してお勤めを果たされませ。
 なにがあってもあなたを支えるとそう決めて、わたくしはあなたに嫁いだのですから。」
「あなたは強いね。
 そんなあなただから私はあなたが愛しいのです。」
「わたくしは強くありませんわ。
 わたくしが津代億あれるのは、あなたという方がいらっしゃるから。
 わたくしが呼べば、あなたはすぐに来てくださるのでしょう?
 それが分かっているから、わたくしは怖いことなどなにもありません。」
「私もそうだよ。
 あなたが待っていてくれるから、私は何も怖くない。」


「立ち別れ いなばの山の みねにおうる まつとし聞かば 今帰り来む」

 私は行かなくちゃ。
 でも君が呼べば必ず帰ってくる。必ず。


奔放な業平をうらやましく思うこともあったが、
今は寄る辺のない業平がひどく哀れに思える。
たとえ世界がひっくり返っても、必ず自分の見方でいてくれるだろうと、
そう思いあえる相手が、彼にはいないのだから。
そんな相手と業平も会えるといいと願っていた。


ここから感想です。

この時代の典型的な女性の生き方といえるのかもしれませんが、
お互いにこんなに大切にし合える夫婦は少なかったのではないかと思います。
こんなにしなやかに、強く生きられる女性は本当にうらやましいです。

でもまぁ、やっぱりこんなお兄さんにこういわれたら、
私も同じく、人の幸せは人それぞれだよ、と言い返したくなる気がする。
誰でもが、できることではないということに、気づいて欲しい気もします。
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