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2013
01.07

うた恋い。2 和歌物語二

Category: 歴史もの
今日の一冊:超訳百人一首 うた恋い。2(本棚から)

和歌物語 二

うた恋い。2巻、とうとう戻ってきました。
私の中ではうた恋い。中、上位3位に入るほどお気に入り、
六歌仙の小野小町と僧正遍昭(そうじょうへんじょう)の若い頃のお話です。

小野小町は六歌仙に数えられる歌の名手であるとともに、
世界三代美女と言われる日本を代表する女性ですが、
悲しい最後を迎えたという説もあるようです。

宮中に上がる前の小野小町、良子(よしこ)と、
幼い頃からの幼馴染だった、良岑宗貞(よしみねのむねさだ)の恋物語の結末は。

ネタバレ感想はいつものように続きを読む、からどうぞ。

本の紹介と、ほかの話へのリンクのページはこちら↓
 うた恋い。2 全体感想


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あまつ風 雲のかよい路 ふきとじよ をとめの姿 しばしとどめむ
                           <僧正遍昭>

その頃、蔵人仲間の間で妙な賭け事がはやっていた。
小野良実(おののよしざね)の娘のもとへの百夜(ももよ)通いが、果たせるかどうか。
何人もの男が百夜通いに挑戦するが、成功した者はいない。
話を聞いていた良岑宗貞(よしみねのむねさだ)はこれまでまだ挑戦していなかったが、
次の秋に行われる五節の舞に良実の娘が出て、帝の后となるという噂を聞くと、
突然いてもたってもいられなくなり、百夜通いにチャレンジすることとなった。

良実の娘、良子とは幼馴染だった宗貞は、久しぶりに良子のもとを訪れる。
今でも良子は宗貞のことを兄様と呼び、また宗貞も良子を妹のように可愛がっていた。

百夜通いのことでの、周りからの良子への悪評を伝えると、
良子は、結婚すれば待つばかりの身になる女だからこそ、
相手がどれだけ自分を求めているかという心を量ろうとするのは当然のこと、という。
その話を聞いた宗貞は、それならまずは自分の心を示そう、と言い、
自分が次の百夜通いの挑戦者になったと伝えた。
良子は慌てて、宗貞にやめさせようとするが宗貞はひかない。

「私は負けず嫌いなんだ。必ず百夜通いとおす。
 だから君もそのつもりでいるように。
 今までの挑戦者のように、難題ふっかければ逃げ切れるなんて
 考えていられては困るのでね。」

と言って、帰っていった。

次の2日目は早速雨。雨にぬれた宗貞に、良子はかいがいしく世話を焼く。
実は良子も幼い頃から宗貞に思いを寄せていたのだ。
百夜通うと言い切った宗貞に、良子は相談があるという。
もし結婚したら、宮仕えを許して欲しいというのだ。
入内を諦めるかわりに、御所に参内し、
和歌を競い、美を競い、殿上人との駆け引きの中で自分を高めていきたいという。
だが宗貞はその願いはかなえられないという。
宮仕えすれば良子のような器量よしを周りの男が放っておくわけもない。
自分を待っている可愛い妻になって欲しいというのだ。
家で自分に浸っているのでなく、いろんな人と触れ合って自分を磨きたいと重ねていう良子に、
御所はそんなに甘いところではないという宗貞に、良子はへそを曲げてしまった。

子供の頃から、持統天皇の和歌を好み、天皇になりたいと言っていた良子のこと。
天皇になれないなら後宮で一花咲かせようと考えたのだろうか、と思う宗貞。
その後の日々、苦労をした自分の祖母の話も交えて良子を説得しようとするが、
良子は日増しに頑なになるばかり。
いつまでも良子の宮仕えを許さない宗貞に、
たった一度の人生を自分の全てをかけて高みで戦いたい。
その先にあるのが辛いことばかりでもかまわないというが、
宗貞は、御所での女性の大変な苦労を良子にさせたくないという。

「お兄さまにとって女は可愛そうな生き物なのね。
 幸せにしてあげなきゃいけない、守ってあげなきゃいけない生き物!」
「否定はしないよ。今の時代女性はどうしてもそういうものだ。
 君もそれが分からないほど子供ではないだろう。
 どうしてわざわざつらい道を選ぼうとする。
 君は幸せになりたいんじゃなかったのか。」
「幸せになりたいわよ!
 でも誰かにしてもらいたいんじゃないわ!
 私が!自分力で幸せになりたいのよ!
 待ってるだけの、守られなきゃ生きていけない女になるのはイヤなの!
 お兄様がそんな私しか望んでないって分かるたびに私は悲しかった!
 どうしてそれが分からないのよ!」

良子の強い決意に宮仕えを許そうかと迷うが、美しい良子が後宮に上がれば、
周りの男が置いてはおかないことが分かりきっているだけに、宗貞は許すことは出来ない。
中途半端に手放すくらいなら、諦めて入内させた方がましだと思っていた。

意見が食い違ったまま、やってきた百夜は狙ったような大雨。
宗貞が供の牛引きと良子の家に向かう途中の橋を通ろうとすると、
大雨で増水した川に、橋が流された!

牛車だけが見つかり、宗貞が見つからないことを良子に伝えると、
自分で探しに行くと、外に出ようとした良子の前に現れたのは、
ぬれねずみになった宗貞だった。すんでのところで、車から放り出されたという。
宗貞を心配する良子を抱え、残念だったねという宗貞に、
良子は泣きながら抱きつき、自分のせいでこんなめにあわせてごめんなさいと謝る。
泣いていないで顔を見せて欲しいといい、良子に口付けしようとする宗貞を避ける良子。

「どうしてもダメなの?
 百夜じゃ私の想いは伝わらなかった?私が嫌い?」
「好きよ。大好きだわ。子供の頃からずっと。」
「じゃぁどうして?」
「・・・この百夜、私も迷いました。
 お兄さまに愛されて、供に築いていける未来があるなら見たかったもの・・・
 でもそれ以上に、どうしても・・・諦められない。私の夢
 大変な思いをして今日まで通ってくださったのにごめんなさい・・・本当にごめんなさい・・・
 どうか・・・どうか今夜は、来なかったことにしてもらえないでしょうか・・・」
「ダメ。百夜通ったら私のお嫁さんになる約束だ。」

良子を押し倒し、見つめる宗貞の目をまっすぐに見つめかえす良子。

「わかったよ。私の負けだ、良子」
といった宗貞の目には涙が光っていた。


次の日、九十九夜でなぜ諦めると、蔵人仲間から責められる宗貞の前で、五節の舞の舞姫たちが踊る。
帝に一首を望まれた宗貞が詠んだのは、

「あまつ風 雲のかよい路 ふきとじよ をとめの姿 しばしとどめむ」

 風よ 強く吹いて天女が帰る道を閉ざしてくれないか。
 今しばらく彼女の姿を見ていたいから。

良子は正六位上の官位を授かり、更衣となり、小野小町と称されるようになる。
後宮に入り、自分の手の届かないところにいく、まるで天女のような良子が、
これからどのように舞うのかを見届けることを誓う宗貞。

「そして祈らせてくれ。君に幸あらんことを。」


すでに長いのですが、ここからちょっと感想を。

なんでダメなんですかね、良子さん。
自分の初恋の人にここまで言われて、諦められないほどの夢を持つなんて、
やっぱり一筋縄ではいかない人だったんでしょうね。

うた恋い。3に出てくる、私の大好きな清少納言と、
立場が入れ替われば幸せになったのかな、と思う反面、
やっぱりそれぞれこういう道しかなかったのかな、とも思い、
切なさがさらに募るんですよね。
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