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2013
01.06

エンド・ゲーム その2

Category: 空想もの
エンド・ゲーム その2

昨日に引き続き、エンド・ゲームです。
前半は、お母さんが倒れ、主人公の時子が謎の男と出会い、
お父さんの失踪に関わる謎も少しずつ関わってきて、
とうとう、時子が空想の世界に取り込まれてしまいました。
後半は、様々な謎が解けるのと共に、
2度のどんでん返しがあった上で、不思議なラストでした。

光の帝国に出てきたたくさんの短編のその後の続きが見たいので、
続編が出るといいなぁ。と思います。

ネタバレ感想は続きを読む、からどうぞ。
前半の紹介は、こちら↓
エンド・ゲーム

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第四章 十二月六日 土曜日

老婦人に「包まれた」暎子が目覚めたのは、時子と火浦も行った一時待避所。
何日も寝ては起きての日を過ごす中、暎子は大学の大教室に自分が座っている時の夢を繰り返し見る。
突然響いた、「お母さん」という時子の声に、暎子はすさまじい悲鳴を上げて逃げ出した。

戸惑いながら暎子を追いかける時子と火浦は、大きな社のある寺院のような建物を見つけた。
その社をくぐった途端、消えてしまった暎子を探すが、
建物には入り口がなく、入り方が分からない。
そこに、暎子も見かけた銀色の輪回しをまわしながら少年が走ってきた。
その少年を見た途端、時子は小さい時の恐ろしい記憶を思い出し、恐怖に突き動かされて走り出した。
神社に逃げ込もうと社をくぐった途端、時子と火浦は建物の中にいた。

少年を見たとたんに時子が思い出した幼い日の記憶は、
幼馴染が、継母に犬のように鎖でつながれてやせ衰えた姿を見たことだった。
誰もいない建物の中で、やせて骸骨のようになった少年に追いかけられる幻想を見たとき、
時子は、不自然なほどにたくさんある建物の柱の中に引き込まれた。

先に社をくぐって建物の中の柱に取り込まれていた暎子は、また夢を見る。
暎子は勘違いをしている、自分で八百屋での体験をきっかけだと思い込んでいる、という。
暎子が次に見たのは、病院か学校のような建物の教室で、講義をしている夫の姿だった。
廊下から教室を見ている暎子のところに、後ろから駆け寄ってきた時子がと声をかけると、
暎子はこれまでのことを思い出した。二人に気づいた時子の父に帰ってこなかった理由を聞くと、
父は衝撃の言葉を発した。暎子は常野一族でなく、父が裏返した敵だったのだ。


第五章 十二月二十二日 月曜日

一人、誰もいない建物の中に取り残されていた火浦。
暎子や時子と同じように、小さい頃の、自分の能力ゆえに恐れられていた記憶が思い出された。
自分が記憶と人格をなくさせてしまった少年。
その男の子の頭の中に見える階段を下っていくと、その先に時子たちがいた。

家族の話は続く。暎子を裏返した父は、暎子に一目ぼれしてしまった。
一族にも秘密で一緒になるために、父は暎子を洗濯屋に連れて行き、記憶を変えてしまった。
タブーである一族同士の結婚と見せかけて、一族と距離を置いていたのもそのためだった。
彼は、自分のことは忘れて、また二人で今までの生活を続けて欲しいという。

3人に合流した火浦は、話を聞いた上で、3人がそれぞれ自分の力で、
自分の望む未来になるようにお互いをだましてみろ、という。

時子は、父はいなくなったまま、母が高校の同級生の高橋と付き合いだし、
自分は火浦とつきあうことになった夢。
暎子は、夫が家にいて家族三人でケーキを作るが、そのケーキから緑色の何かが出てきてしまう夢。
彼は、暎子の育ての親でもある祖母を病院で見取り、二人の新生活を始めようとするとき、
祖母が生き返って、うそつきだと彼をののしる夢。
どれも最後に火浦が出てきて、決定的な一言で三人の夢を打ち消してしまった。

その結果に失望した火浦は、3人を洗濯することを決める。
その時暎子が、忘れていた夫の名前を思い出した。それは「肇(はじめ)」だった。


第六章 十二月二十二日 水曜日

火浦が洗濯した結果は、時子が描いていた夢に近いものだった。
クリスマス直前に待ち合わせる時子と火浦。時子の指には指輪が光っている。
待ち合わせしていた店には、暎子の婚約者の高橋と暎子も来た。
4人は、それぞれの婚約を祝うことにしたのだ。

1年前に、暎子が永い眠りから目覚めた時、火浦は時子とともに暎子の見舞いに来ていた。
退院後、夫のことに踏ん切りがついた暎子と高橋は徐々に距離を縮め、
拝島家に火浦が出入りするようになり、秋に暎子と時子はそれぞれ婚約したのだ。

暎子が目覚めてからは、母子二人とも今まで悩んでいた敵を見ることもなくなっていたが、
時々二人が鏡をうつろな目で見ていることが、高橋は気になっていた。

火浦は二人の記憶と力を消し去った一方、肇の力は消し去ったが、記憶だけは残していた。
自分も心安らかに過ごしたい、記憶を消して欲しいという肇を冷たくあしらい、
火浦は、肇が言った、暎子は昔的で初めが裏返したのは本当か、と聞くが、
肇はうそであるはずがないと、怒るだけだった。

時子と暎子は、たまに洗濯された以前の記憶が頭をよぎることがあった。
暎子が会社で残業していたある日、夜に雨が降り出すと、突然浮かぶ言葉。
「終わりのはじまりの雨」
自分の空想に驚いている暎子のところに、廊下を手押し車を押してくる老婆が近づく。
老婆は、暎子の育ての親の祖母だった。

火浦とともにいた時子も時を同じくして突然、「終わりのはじまりの雨」、とつぶやく。
不安になった火浦が、時子の精神世界に入っていくと、
そこには、火浦が以前洗濯して人格を失った少年がいた。
少年は、時子からの伝言として、「はじまりの公園で待っている」と伝える。

目覚めた火浦が、時子が子供の頃父が連れて行かれた公園に行くと、
暎子と時子と一緒に肇がいた。そこで語られたのは、火浦の知らない物語だった。
暎子たち、常野一族の敵と常野一族とはすでにお互いを裏返し続ける中で、
ほとんど同じ生命体になっていた。
ほぼ同じ生きもの同士が、裏返し、裏返されを繰り返す空しい毎日。
その3人のもとを暎子の祖母が訪れ、3人それぞれが物語を考えて、
それぞれに自己暗示をかけたのだ。
火浦に洗濯されることで自己暗示がとけ、3人は以前の記憶を取り戻したのだった。

事実を知った火浦は、それでも時子と一緒に生きることを選択し、
肇は暎子に別れを告げて、暎子の祖母とともに離れていった。
家では高橋が3人を待っていて、家族4人の新しいゲームが始まろうとしていた。


ここから感想です。
やっぱり6章は長かったですね。

2度目に軽く読み直したら、少しこんがらがったからくりが分かったような気がしました。
それにしても、なんというかシュールな物語ですね。
幸せとか、夢とか、うそとか、敵とか、そいういうものが何なのか、
読んでいるうちに良く分からなくなるというか。

この結果で3人は、いや5人はそれぞれ本当に良かったんでしょうか。
なんだか妙な尾をひいてしまいました。

恩田陸さんの作品を次に読むとしたら、代表作の夜のピクニックにしたいです。
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