--
--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2012
12.25

蒲公英草紙 その2

Category: 空想もの
今日の一冊:蒲公英草紙

読み終わりました。
最後は、予想通りといえば予想通りなのですが、
やっぱりほろりときてしまいました。
聞いたことのある昔話のようなテイストはそのまま。
1作目の時代に戻った雰囲気をかもしつつのラストでした。

これが3冊シリーズの2作目ということなので、
早速明日、1作目と3作目を借りに行きます!

いつものようにネタバレの中身は「続きを読む」からどうぞ。


良かったらぜひ押してください↓
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

毎年槇村の家で催している「天聴会」の日。

春田兄弟と一緒にいた峰子のところに、聡子と廣隆もやってきた。
聡子は光比古を見ると、初対面にも関わらず突然「ありがとう」と言った。
その言葉に自分自身も驚いたように首をかしげながら、
光比古の顔を見た途端、うれしい気持ちでいっぱいになって、
自分にとって大事なことをしてもらったような気持ちになったという。
紀代子が信じられないというような顔をして、
「あなたは---遠目?」とつぶやいたのだった。

天聴会に参加するために屋敷に戻った5人。
会場の正面には、槇村家の蔵からこのときのために出された書見台が置いてあった。
光比古が、その書見台を触った途端、仮死状態のようになってしまった。
光比古の両親が、光比古の意識を呼び戻そうと不思議な力を使うがうまくいかず、
そのまま遠ざかっていきそうな意識を呼び戻したのは、聡子の声だった。
目覚めた光比古は「僕、聡子様を「しまった」んだね?」という。

その後、槇村の歴史と常野の歴史が語られ、
以前槇村に常野一族の嫁が来て、集落を襲った大雨から村人を救い、
その娘が持っていたのが光比古の触った書見台だったこと。
また、常野の一族は、一族の者の歴史を記録することを定められていて、
それは言葉や出来事を記憶するだけでなく、
その人の生業や心持そのものを自分の中に飲み込み、
蓄えることを指し、それを一族では「しまう」と呼んでいることが明かされる。

またその話を聞いていた仏師の永慶が、
自分の彫った仏像を狙った盗賊に、子を失った両親が殺されたことで、
仏を彫ることが出来なくなったことも明かされた。

その後、峰子が何度も思い出す穏やかな夏が過ぎていく。
峰子は聡子の永慶への恋心に気づき、
自分自身も、廣隆に好意を寄せられ、お互いに大人になっていくことを自覚する。
峰子と聡子はともに、一緒に学校に行くこと、
また村に何かがあれば、村のために尽くすこと、
そのほかにもいくつもの他愛もない約束が交わされて夏が過ぎ、運命の日は来た。

聡子とともに、村の幼い女の子たちの面倒を見に、村はずれに出かけていった峰子。
聡子が子供たちに昔話や怖い話をしていると、外の様子が急変する。
大きな台風が村を襲ってきて、あっという間に山の麓の家は濁流に囲まれたのだ。
大雨で裏山が崩れ、今にも家がつぶれそうになる中、
二人は幼い子供たちをつれて、以前の大水でも流されなかったお寺に非難する決心をする。
村のために尽くすという約束を果たすために、協力して子供たちを寺に連れて行く二人。
子供たちを運ぶ途中で、流木に当たって大怪我をしながらがんばる峰子の前で、
最後の子供を峰子に手渡した直後、聡子は黒い濁流に飲まれていった。

台風が去って3日後、聡子の遺体を見つけたのは永慶だった。
泣き崩れる奥方を前に、槇村当主は聡子の頭をなで、満面の笑みで、
聡子をよくやったとほめるのだった。

聡子の葬儀の日、悲しみに暮れる皆に、
光比古が自分の中にしまっている聡子を感じさせる。
生まれたときから聡子が見ていた風景。
家族や峰子、永慶の姿。
最後の場面で聡子が子供たちを助けた満足感と達成感を感じ、
歓喜と感謝に包まれた気持ちでこの世を離れたことがわかる。
光比古に「ありがとう」と言っていたのは、このことだった。

時が過ぎる中、絵師の椎名は日本画を学びなおすために、
仏師の永慶は自分を必要とする人に仏を掘るために、
そして春田家も、当たり前のように旅立って行った。

現実の峰子は、その後の日露戦争、第2次世界大戦を経験し、
夫と上の息子、娘の夫を失い、下の息子は行方不明。
聡子が見守るといっていた槇村の集落もすっかり寂れたという。
残ったのは女子供ばかりの日本がこの先どうなっていくのかを、
光比古に聞きたいと願うばかり。
スポンサーサイト
トラックバックURL
http://monogatarigatari.blog.fc2.com/tb.php/40-3ea85b31
トラックバック
コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。