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2013
05.14

うた恋い。3 エピローグ

今日の一冊:超訳百人一首 うた恋い。3

エピローグ

歌恋い。3巻の最終話でもあり、
歌恋い。シリーズ本編全体の最終話でもあるこの話は、
清少納言と藤原行成との恋の行方に決着がつく話です。

二人の思いは一夜だけ重なって、
その後また、別々の人生を歩んでいったようです。

自分が守るから宮中にいてくれ、と頼む行成への、
清少納言の答えが、本当に素敵で、せつなくて、涙が出ます。
そしてその思いをいくらか定家が汲み取って、
百人一首に反映してくれたのだとしたら。。。
こんな素敵な女性が日本にいてくれたのがうれしくなるような、
そんな素晴らしい、切ない、お話です

うた恋い。シリーズ本編はこれで終わってしまったようなのですが、
もっともっと見たい!
百話分全部、漫画にして書いてほしいです。
杉田先生~、お願いします~!!

ネタバレの中身は続きを読む、からどうぞ。

本の紹介と、ほかの話へのリンクのページはこちら↓
うた恋い。3 全体感想


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皇后定子(ていし)崩御ののち、
藤原行成(ゆきなり)は、蔵人頭(くろうどのとう)の激務に追われる日々を過ごしていた。

ある日藤原公任(きんとう)から、清少納言が都を離れ、
摂津に下るという話しを耳にする。

定子の立場を危うくする、藤原道長(みちなが)の娘、彰子を帝の后にするよう進言したために、
清少納言へのうしろめたさから、しばらく疎遠になっていたのだ。

自分が以前、清少納言に、
状況次第でそれまでの友情も覆すのか、と言った言葉や、
清少納言が、立場の違いを乗り越えて信じ続けたり思い続けたりすることは難しい、
と言っていたことを思い出し、深い疲労の中に落ちていく。


その夜、清少納言が屋敷で文を書いていると、
外から、鶏のなく声がする。
御簾をあげて様子を見ると、声真似をした行成が部屋の外に座っていた。

自分のことを恨んでいるか、と聞く行成に、
彰子の立后(りっこう)は、国のためには必要なことで、公家としては立派だという。
また、気が咎めるなら、定子の子供たちを見守ってほしい、という少納言に。。。

「あなたはどうするんです。
 都をはなれると聞きました。
 定子様以外に仕える気はないんですか。
 御所で親王様のご成長を見守る道もあるのに。
 道長様からも、再出仕の誘いがあったでしょう。
 定子様の一の女房だったあなただから最初のうちは周りの目も厳しいでしょうが、
 あなたのことは、俺が必ず守るから。」

「お申し出はうれしいけどそのつもりはないわ。
 親王様のことは心配だけど、私にはやることがあるから。
 これ・・・何か覚えてらっしゃる?
 枕草子。
 これにはね、一家の没落も定子様の死も、悲しいことは何一つ書いていないの。
 私が後世に伝えたい定子様のお姿は、明るくて聡明だったあの方の笑顔だけだから。
 楽しかった日々を楽しいまま、この草紙に閉じ込めることが”清少納言”の務め。
 それなのにこの中で一番忠勤を励んでいる私が、
 別の所にも出仕したなんて話が残ってしまったら枕草子は台無しでしょう?
 私はこの先の舞台に現れてはいけないのよ。
 私の務めは、まだ続いているから。」

清少納言の言葉を聞いて、少納言とくだらない話をしていたころが一番楽しかった、
という行成を見て、少納言は御簾をあげて行成のもとに近づいてくる。
二人は唇を重ねた後、楽しい思い出は今を嘆くためでなく、
前に進むためにあるのだから、強くまっすぐ、豊かな人生を送ろう、と誓う。

その後行成は定子の親王の後見人を務め、親王が亡くなるまでその任を全うしたという。
清少納言のその後の行方は知れていない。

清少納言が残した枕草子は、その後写本に写本を重ね、今に伝えられている。
今も残る写本の系統の一つは、藤原定家(ていか)が書き写したものともいわれる。
定家は写本をするとき、何を感じたのだろうか。

百人一首の元になっていると言われる百人秀歌には、
中宮定子の辞世の句がとられている。

「夜もすがら 契りしことを 忘れずは 恋ひむ涙の 色ぞゆかしき」

 私と愛し合ったことをお忘れでないなら
 世を去った私を思ってあなたが流す涙の色はどんな色か
 その色が知りたい

後年の定子の心細さを秘めた悲しい歌。
定家はこの歌を百人一首には入れなかった。

定子の笑顔だけを後世に伝えたいという、
清少納言の願いを汲み取ったのかどうかはわからないが、
百人一首に定子の歌が入らなかったことにより、
「中宮定子」と聞いて私たちが真っ先に思い浮かべる姿は、
「枕草子」の定子になった。
その姿は時を越え、微笑んでいる。
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