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2013
05.11

うた恋い。3 和歌物語五

今日の一冊:超訳百人一首 うた恋い。3

和歌物語五

もう書き終わっていたと思っていたうた恋い。3が、
終わっていなかったことに気づきました
そんなわけで、久々に百人一首の話です。

3巻の和歌物語四までは、結構楽しげな話が多かったのですが、
ここで物語は折り返し点に入ります。
政変により少納言が仕えていた中宮定子の立場が危うくなるのです。

そのきっかけを作った一人が、
少納言と親友としてつきあっていた行成様だったわけですが、
行成様がいろんな思いをもって、その決断をしたことが描かれています。
宮中に働く中では、やっぱり心を偽らなければならないことも多かったのでしょうね。

ネタバレの中身は続きを読む、からどうぞ。

本の紹介と、ほかの話へのリンクのページはこちら↓
うた恋い。3 全体感想


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滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ
                              <大納言公任>

藤原道長の声かけで、朝議をさぼって物見遊山にきた藤原公任(ふじわらのきんとう)は、
以前は音に聞こえた滝が枯れたようすを見ながら物思いにふけっていた。

というのも親友だった藤原実方(ふじわらのさねかた)が任国で不慮の死を遂げ、
先帝の御代では宮廷の寵児と呼ばれていた実方の死に、
時代の流れと、自分の立場の変遷も重ねてしまう。

以前は見下していた相手にこびへつらう毎日。
自分が死んだ後、誰が自分を覚えていてくれるのか。。。


そこに道長がやってきて、
滝殿に世の無常を重ねて和歌の一つも詠もうといって、
公任だけでなく、藤原行成(ふじわらのゆきなり)にも呼びかけるが、
和歌の苦手な行成は筆記を務めると辞退した。

できたら呼んでくれといって、道長が席を外すと、
公任は行成をからかいながら、話を始める。

「しかし道長も、ようやりよるわ。
 朝議をさぼって物見遊山とは。
 不敬にもほどがある。」

「一緒にサボっているいのですから、私たちも同罪です。」

「いやいや!
 そりゃあ、あれの腰巾着の私らにも非はあるがね!
 一番悪いのは帝だろう。
 道長の娘、彰子の入内をいつまでもお認めにならん。
 その腹いせに朝議をすっぽかす道長も大人げないがね。
 しかしま、今、朝廷をまとめることができる人物は道長のほかにいないんだ。
 帝にはなんとか折れていただかんと。」

「帝もそのことはわかっていらっしゃいます。」

「そうとも。分かっているのにだだをこねているんだ。
 愛する中宮を守りたい一心で。
 彰子の入内を認めたら、後ろ盾のない定子様の立場はますます危うくなる。
 美しい話だが私情で失政を動かせるか。
 そこをどうにかおいさめするのが蔵人頭たる君の勤めだろう。
 うまく説得してくれ。」

しかし行成は答えられない。
帝と同じく、定子のもとに仕える清少納言への思いが、
彰子の入内をすすめることに気をとがめさせるのだ。

公任がそこで詠んだのは

「滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ」

 昔あったという見事な滝の流れる音はもう聞こえないけれど
 名前だけは残って今も語りつがれている。

だった。

この世はこんなにはかないのに、後世まで聞こえる滝の音というのはなんだろう、
と問う行成に、
権勢や映画など夢のようにはかないが、
私や友の和歌、君の書や君の友人の書いたものは、
ひょっとしていつまでも残るのではないかと一縷の望みを託している、
と、公任は答えた。


翌年、道長の娘、彰子の立后(りっこう)の儀が執り行われた。
彰子が中宮、定子が皇后となり、帝の正室が二人になる自体。
帝の唯一の人、ということだけを頼りにしていた定子は窮地に立たされる。

彰子を中宮とすることを帝に決意させたのは、
行成だったということだった。
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